インクジェット印刷でオリジナルtシャツ作成 デザインデータと実際の仕上がりカラーの比較  淡色印刷 濃色印刷 DTF 前処理あり/なし

 インクジェット印刷でのご製作で一番お問い合わせが多い事項が仕上がりカラーが想定と異なっているという現象です。


特にお使いのモニターで見ているよりも色が薄い、発色が悪い(色が変化している)と感じられるお客様が多いと感じております。


これらはPCモニターに表示されているカラー(RGB方式)と実際の印刷カラー(CMYK方式)に差があるため生じます。


PCなどのモニターは光を混ぜて色を再現するため発色のよいカラーや白を混ぜて作るタイプのカラーも比較的表示することが可能です。例えば蛍光色のように見えるピンク、水色、黄色、緑などです。また金属的なカラー金、銀なども同様です。


上記のようなカラーは実際に弊社機材でプリント(出力)すると、モニターとは異なった色に出力されます。シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色を細かい点で重ね合わせることで色を再現するため、蛍光(+蛍光っぽさのある発色が良すぎる色)、ゴールド、シルバーのような特殊なカラーを作ることができません。すべて近い色に置き換えられます。一般的なインクジェットのプリンターで蛍光色や金、銀がプリント出来ないのと同じとお考え下さい。


たとえばピンクですが、白の上に赤系色の細かい点を打ってピンクっぽくみせています。ピンクのインクを使っているわけではありません。このため、インクの色の発色を上回る発色の良いピンクは表現できません。黒と白以外のカラーはすべてこの方式で色が作られます。



弊社は低価格でご提供することを一番のサービスとしておりますので、厳密な色調整などには対応しておりません。※もし調整作業行う場合、別途費用が発生し販売価格が非常に割高なってしまうためです。また調整しても完全に色をあわせることが難しいという面もございますのでこの点ご了承いただいた上でご利用くださいませ。


すこしでも仕上がり時のイメージに近づけてご製作頂けばと思い、印刷用のデータと実際に生地にプリントしたサンプルを作成しました。



同じ機器を使用して印刷していますが、それぞれの方法により色の出方にかなりの差が生じます。同じデザインデータを使用しても印刷方式が異なると仕上がりカラーに差が生じます。白tシャツと黒tシャツを作成するといった場合もご注意ください。


以下データ製作の際にご参照ください。左側が印刷データ、右側が生地にプリントした画像です。同じ位置で撮影し、無加工の状態です。


①インクジェット淡色印刷

右の実際にプリントした照明の都合で暗く表示されてしまっておりますが、おそらくほとんどのモニターでプリント用データよりも色が薄く(暗く)表示されていると思います。

弊社のモニターで見るプリント用データK25の濃さに近い実際のプリントカラーは50あたりです。実際にはかなり薄いカラーになるということです。

濃い薄いはデザインデータやご覧になる方によって異なるのですが、25ー50くらいまでの濃度のカラーはパステルカラーのような色味になることが多いです。それ以下だとパステルカラーが薄まったようなさらに薄い色になります。65あたりになるとプリント用データでは十分に濃くみえますが、実際には若干薄目になることが多いです。CとMを70ずつに設定した紫もプリントすると人によっては薄いと感じると思います。

色をはっきりと出したい場合は濃度の設定が80以上はあったほうがよいと思います。

ただこの印刷方法は数値が5でも一応目視が可能ではあるので色の表現の幅は広めと言えるのではないでしょうか。※実物プリントではK.C.M.Yの5はほぼ見えません。


カラーとは関係ありませんが、淡色印刷は比較的細い線でも再現が出来ることが多いです。


②インクジェット濃色印刷 前処理あり

前処理ありの濃色印刷です。実物プリントでは10~15からギリギリ色を認識出来るくらいかと思います(相当薄いです)。

この方式は生地によって仕上がりが非常に変化します。

サンプルでは発色が良く出ることが多いギルダンの6オンスを使用しております。

生地目がどうしても見えるため、カラーが濃く感じることがあります。使用している生地カラーと生地目によって仕上がりカラーにかなり差が生じますのでご注意ください。

網目が大きいパーカーなどにプリントすると生地の色が目立ったりします。

またtシャツでも毛羽感が強い生地の場合発色が悪くなります。


アップです。生地の隙間が見えます。生地の上にインクが乗る仕上がりですが、生地になじんでいる部類の質感です。


1ミリ以下の細い線や点は再現性が下がります。下地の白が見えないように若干白の下地を削る処理をかけるため、デザインが見えなくなってしまう場合があります。カラーのインクには生地を隠蔽する力が無いためです。

例)1ミリの線 両サイド0.2ミリの削り幅を設定すると白下地の幅は0.6ミリになるため発色が良くみえるのはこの0.6ミリ幅の部分のみとなります。

例)0.5ミリの点 両サイド0.2ミリの削り幅を設定すると下地は0.1ミリサイズとなるため出力自体がされない、されてもほぼ見えない仕上がりとなる可能性があります

例)0.5ミリの点削り幅を無しに 印刷時に微細にずれが生じるため、削り幅を設定しないと下地の白が見えて印刷されます


また白だけのデザインであってもあまりにも細い線や点の場合は出力自体がされない場合があります。



③インクジェット印刷DTF 新方式前処理なし

前処理なしの新方式です。白tシャツなどへも白引きありの印刷が可能です。

上記2種よりもカラー再現の幅が狭くなるのが特徴です。

実物では以下のようにみえます。

・K 灰色感が出始めるのは40くらいからで濃いグレーは75くらいまで。80と85はCMYを混ぜて作る黒のように変化し、茶色っぽさが出てしまいます。濃いグレーにしたつもりが茶色になったという現象が起こる可能性がありますのでご注意ください。90はほぼ黒に近い茶色にも見えます。95、100は黒です。

・C 20くらいから色感が出てきます。50でかなり薄い水色といった感じです。C(シアン)がかなり明るめにでるのが特徴です。このため、緑も濃い色が出しにくいです。

・M 20くらいから色が出ていますが、40くらいでかなり薄いピンクといった感じです。濃い目のピンクっぽさが欲しい場合は70~85くらいがよいかと思います

・Y 30くらいから色が出てきます。50~85くらいまでの間でほぼ最大に濃くなります

これ以降の色と色を混ぜたカラーは弊社的には25から上に設定して頂いたほうがよいと思います。

中間あたりにあるカラーはモニターで見ている色よりも2~3割くらい薄くなることが多いので、カラー情報をご確認頂き60あたりでちょうどよいと感じられる場合は80あたりに設定して頂くと薄くなる現象が避けやすくなると思います。

60ー75くらいまではパステルカラーのような色とお考えいただてよいかもしれません。


白、完全な黒、黄色と赤がメインのカラーにはかなり有効です。

グレー、青、緑系のカラー、パステルカラーで構成されているデザインの場合、想定を超えて変化することが多いのであまりお勧めしません。


1ミリ以下の細い線や点は再現性が下がります。下地の白が見えないように若干削る処理をかける必要があるため、デザインが見えなくなってしまう場合があります。カラーのインクには生地を隠蔽する力が無いためです。

また白だけのデザインであってもあまりにも細い線や点の場合は出力自体がされない場合があります。


④インクジェット印刷 新方式前処理なし 黒tシャツ

上記白tシャツへの印刷とまったく同じものなのですが、見え方がまったくかわります。

弊社的でデザインを作成する場合は40よりも上の濃度を使うと思います。※白インクは除く

濃いグレーや青系、緑系など出力時に想定外の変化が起こる場合がございます。特に濃いグレーは印刷機のインク設定処理の特性上、茶色になります。あらかじめご了承くださいませ。

カラー変化の癖がつよめなのですが、生地の影響を受けにくいため発色自体は非常によくプリントされます。
特に白プリントは従来のものとは比較にならないくらいきれいに出ます。

1ミリ以下の細い線や点は再現性が下がります。下地の白が見えないように若干削る処理をかける必要があるため、デザインが見えなくなってしまう場合があります。カラーのインクには生地を隠蔽する力が無いためです。

また白だけのデザインであってもあまりにも細い線や点の場合は出力自体がされない場合があります。




ご希望の仕上がりイメージや商品の状態(前処理跡の有無)によって使い分けしていただくと良いと思います。



以下ご参照ください。

①とにかく安く作りたい場合

 ・白Tシャツもしくはナチュラルなど薄い生地色を使用して淡色印刷
 ・ワンポイントのデザインにして新方式でプリント
  デザインが小さく枚数が多いと白インクを使う濃色印刷でも新方式により激安でご提供が可能になりました

②色を幅広く使いたい
 
 ・淡色印刷
 ・濃色印刷前処理あり 
  ※ただし生地によって仕上がりに差が生じますのでご注意ください。
 

③発色良く仕上げたい

 ・すべての印刷方式で色の設定をモニターで見ているよりも濃い目に設定する
  ※カラーの濃度設定をご確認頂くのが最も確実です。
 ・新方式でプリントする(白、完全な黒、黄色、赤がメインのデザインの場合)
  ※淡色印刷と濃色印刷前処理ありは生地の影響を受けやすいのでデータを濃く作ってもカバーできない場合があります。

④前処理跡が無いほうがよい

 ・淡色印刷
 ・新方式

⑤生地になじんだ質感がよい

 ・淡色印刷(しみこみ風)
 ・濃色印刷前処理あり(インクがのった質感ですが新方式よりも柔らかめの質感です)


使用する生地による仕上がりの違いは以下のような傾向がございます。

・表面の毛羽が少ない生地のほうが発色がよくなる傾向があります
 ギルダン6オンス、ギルダン76000などは発色が安定する傾向にあります

・パーカー、スウェットなどは生地目によって大幅に仕上がり感に差が生じます。
 網目が大きく、前処理剤が定着しにくい素材の場合は発色が非常に落ちます。

・ナチュラルカラーのトートバッグなどへの淡色印刷はカラーを濃い目に設定したほうが無難です。薄いカラーは見えなくなる場合がございます。



印刷方式と生地の組み合わせなどによりいろいろな変化をするため、気になる場合はご製作前にお問い合わせください。デザインデータをお送り頂ければ確認させて頂きます。

すべての方式で黄色と黒が隣接しているデザインはにじみが起こりやすくなります。これは機械の特性です。


画像編集ソフトが無く色を濃くすることが出来ないといった場合もご相談ください。
イメージ通りになる保証は致しかねますが、無料で画像処理をすることは可能ですので少ない製作枚数でも低価格でのご製作が可能です。



株式会社ユアデザインラボ

HPはこちらからどうぞ。








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