シルクプリントインクジェット違い  オリジナルTシャツを格安で1枚から作る方法

 本日はシルクプリントとインジェットの違いについてです。


弊社はTシャツなどの生地にプリントするのがメインの会社ですので、今回は生地に印刷する場合のお話です。


どちらも生地にインクをのせて絵柄を再現するという点では同じですが、その制作過程に大きな差があります。

どちらの印刷にも特徴があり、特徴を踏まえたうえでご利用頂くとよりイメージに近い製作が可能になると思います。よろしければご参考ください。


まずシルクプリントとはスクリーン印刷のことです。シルクスクリーン印刷とも呼ばれます。現在では紗(メッシュ)にシルクは使われておりませんのでスクリーンプリントということが多いようです。


こちらは印刷するための型を作る必要がある方式です。印刷の前に版を別途作成する必要があります。このため基本的に1~数枚程度の制作の場合、製作費が非常に割高になってしまうことが多いです。

※弊社は小ロットから製版代が無料、規定枚数以下でも製版費が非常に低価格ですので、ご利用される方も多いですが。というかお気軽にご利用ください。


10枚以上ご製作、黒などの濃色ボディに少ない色数でプリントする場合は、こちらのほうが低価格で制作が可能です。また蛍光色やラメインクといった特殊なカラーも印刷が可能です。


街中で出回っているTシャツなどのプリントではおそらく最も多く使われている製作方法です。黒のTシャツに白1色プリントといったものの場合、まず間違いなくシルクプリントで作られていると思います。最近流行っている?昔のロックバンドのTシャツデザインなどもほぼシルク印刷のことが多いですね。ビンテージのTシャツもシルクプリントのものが多いです。


これがシルクスクリーンの版です。


この版1枚に1色のインクをのせてプリントします。色数もしくはデザイン違いのプリント箇所が多いほど、版の制作数が増え製作コストが高くなります。

インクをべったりとのせてしまうため、色替えする際は洗浄が必要になります。このため1枚づつ色を変えたいといったご製作の場合は追加費用がかかる場合があります。基本的に同じプリントカラーのものを大量生産するのに向いています。※弊社ではプリントカラーが同じであればボディのカラーは複数あっても追加料金はかかりません。


※繰り返しになりますが弊社では規定枚数以上(大抵のTシャツは10枚以上から)でシルクプリント製版代無料のため、版数が多くても激安です。。。


版のアップです。緑の部分はインクが通過しません。黄色の部分、網状になっているところからインクが通過して絵柄を再現します。

上記の画像は点々がやたらと沢山ありますが、これはハーフトーンを使用して1色のインクで色の濃淡を表現する方法を使っているためです。グレーの部分は点を使って下地の色と合わせてグレーのように見せます。黒以外でももちろん使えます。


グラデーションとは上のような色の表現です。

たとえば白黒写真はたいてい上の右のような状態で画が構成されていると思いますが、この状態ではシルク印刷ではプリントが出来ません。グレーの部分が存在しているからです。これを表現するために、左のようにハーフトーン処理をする必要があります。もっとがっつり白と黒に分ける2階調化をかけた写真などもよく目にする方法です。どちらにせよ、デザインデータは完全な白と黒にわかれた状態に設定する必要があります。

シルク印刷ではこのようにデザインの色をそれぞれ分離して色数分版を作ってプリントすることでデザインが完成します。

シルク印刷のインクはこのようになっています。

接写撮影により色が変わってしまってるのですが実物は蛍光オレンジです。スクリーンの目がみえているのがわかりますでしょうか?蛍光オレンジのインクを型を使って流し込んでいるので、それ以外の色は存在しません。
変わりインクの代表格ラメインクです。金色のラメの細かい粒子が集まって金色プリントになります。

調合済のインクをそのまま使用するため、蛍光色やゴールド、蓄光といった様々な表現が可能になります。

ただし、前述したように色数が多いデザインの場合は製版数が色数分増えるため製作コストも上がります。特に少ない製作枚数だと1枚あたりの単価が高騰してしまい、利用しずらいという面があります。

例えば版代が5,000円のお店に3色刷りでTシャツ10枚製作を依頼した場合、製版代は5,000円×3版=15,000円となり、Tシャツ1枚に製版費だけで1,500円必要ということになります。これに加えてTシャツ代やプリント工賃などが別途かかってきますのでなかなかのコストですね。
※製版費はサイズやデータの細かさなどにより価格はまちまちです。1版1万円くらいする場合もあります。

またまた繰り返しになりますが弊社は少量から版代が無料になるので、版数が多いシルクスクリーン印刷もお得に作成出来ます。お気軽にお問い合わせください。。。


写真のようなデザインでも、点と点をうまく重ねてプリントすることで少ない色数でカラーのように見せるプリント技法もあります。


このウサギのプリントは生地の色に加え、白と赤と黄色の3色のみでウサギの茶色感を表現しています。接写だと網点なのが分かると思います。少し離れるとよりリアル感が増してみえるのではないでしょうか。


以上がざっくりとですがシルクプリントになります。

続きまして。

デザインの色数が多い/制作数が少ない場合に最適なツールとして使われるのがインクジェット印刷です。

インクジェット印刷と一口にいってもいろいろなタイプの印刷があります。以下グッズ製作によく使われている方式です

・昇華転写 
 総柄のユニフォームやマグカップなどポリエステル素材への印刷。白いポリエステル生地/素材へのプリントが基本。色物の生地には使えないのが特徴。ボディのサイズを上回る印刷用紙を用意することで総柄タオルやユニフォームその他いろいろ作れます。もちろんワンポイントなどでプリントすることも可能ですが、白のポリエステル生地に限られます。

・シート貼り付けタイプ
 多様な素材にプリントできる方式。印刷したシートを貼り付けるのでシート感が出るのが特徴。デザインに沿った形にするためにはカットしなければならず縁取りなどが残る。
シート貼り付けはインクジェット以外にカラーシートをカッティングして貼り付けるものなどもあります。このカラーシートには金色やフロッキー、蛍光色、ホログラムなどいろいろなものがありこれでしか出せない質感のものもあります。弊社でも近日取り扱い開始予定です。

・DTF 
 ダイレクトトゥーフィルム。転写シートに印刷したインク部分に接着パウダーを加えて素材に転写する方式。インク部分のみを転写するのでシート貼り付けタイプと異なり縁取りなどが残らない。
 綿に加え、ポリエステルやナイロンなど色々なものにプリント可能ですが、インクの質感がDTG(直接衣服に印刷する方法)に比べ、シート貼り付けタイプに近い感じになることが多いです。この質感は接着パウダーの種類によっても変わるため、業者ごとに仕上がりに差が生じると思います。今最も注目されている印刷方式です。
ちなみに現状ではナイロンには結局のところあまり適していないようです。ナイロン素材は種類が非常に多いため、貼り付けられるものと貼り付けられないものがかなり混在してしまうようです。ナイロンに印刷する場合はシルク印刷やシート貼り付けのほうが今のところは安定していると思います。


それでは本題です。
ここでは主にガーメントプリンター(DTG 衣服に直接印刷する方式)についてお話します。

以前はそれほど見かけませんでしたが、現在はかなり見かけるようになった方式です。子供用のアパレルブランドなどでも使われているのを良く見ますね。子供サイズのように1サイズ上がるだけで大きさが非常変わるボディの場合、プリントサイズを共通にしてしまうと、見た目のサイズ感にかなりのばらつきが生じます。版を作成せずにデザインのサイズを変えられるインクジェット印刷はこの点で非常に便利な方式ということでしょう。インクの使用量も大人サイズに比べて少なくすむためコスト面でも比較的良好と思われます。


ネットのサイト上で1枚から作れて初期投資無料でオリジナルTシャツを作って販売出来ますよ!というサイトはほぼ間違いなくインクジェット印刷で作られています。注文が入った分だけ都度作ることが出来るからです。
※某SUZUR●などはシルクスクリーン印刷も選べますが一定期間内に規定枚数に到達しないとインクジェットで作られてしまうようです。


インクジェット印刷の一番の特徴は製版の必要がないという点です
カラープリンターで印刷します。先ほどシルクプリントで掲載した版は存在しません。
ですので製版費というものがありません
例えばTシャツ1枚だけシルク印刷で注文したとして、製版費が5,000円だとすると、この時点でインクジェット印刷のほうが価格面では圧勝になります。

このような理由で1枚から低価格で作成が可能ということです。
1枚づつプリントの色やデザインを変えたいといった製作も可能です。


製版代が無いので数枚程度であれば非常に安価です特に白インクなしの方式は非常に低価格でカラー表現が可能です。弊社の場合@809~(税抜)でTシャツ代最大サイズ印刷費込みで作成が可能です。


ただし白インクを使用する方式は白インクなしに比べてかなり割高になります。デザイン面積が大きい場合は数量が増えても割引率が低いことが多いです。基本的にインクジェット印刷用のインクはシルクスクリーン用のインクに比べて価格が高いため、大量生産には不向きな気がします(工場の設備や作るものによりますが)。


インクジェットプリンターは基本的にCMYKの4色と白インクで構成されています。市販の家で使っているプリンターと差はそれほどないと思います。白インクが出力されるのが特徴です。

上の画像は家庭用のインクジェットプリンターですが、CMYKが搭載されていますね。家のプリンターで出力できる色と大差がないということです。
この家庭用プリンターはGY追加のインクとして搭載されています。このGYが白に変わったようなものですね。


上記のプリンターにグレーが追加されているのは、CMYKの印刷方式はインクを点のように打って色を混ぜたようにみせているだけで、インクを混ぜてから噴出しているわけではないため表現が苦手なカラーが存在しているからです。
グレーはその一つです。通常は白の上に細かい黒い点を打って表現することになります。ただそれではどうしても表現に限界が生じます。これを補うためにグレーのインクを搭載しているということです。写真プリントに特化した民生機のプリンターはこんな感じで特色を積んでいるものがあります。


ただ残念ながら一般的なインクジェットのガーメントプリンターには追加の特色インクはあまり存在していないと思います。ですので当然ですが色の表現に制限が生じます。カラーで印刷はできますが、表現出来ない色がかなりあるということです。


ガーメントプリンターの緑色の接写を見てみましょう。
緑はシアンとイエローで表現します。

イエローとシアンの点が認識できるかと思います。

このような方式で色を再現するため、PCモニター上に表示されている色の中で非常に発色の良い色は表現が出来ません。これは特に注意して頂きたい点になります。蛍光緑のような色はインク自体が蛍光緑でないと表現が出来ない色になります。元のインクの色を上回る鮮やかさが出せないためです。

CMYKは色を混ぜるほど黒に近づいていきます。このためRGB方式(モニター画面)で非常に発色が良く表示されている濃い色はくすんだ濃い色に置き換わってしまいます。

蛍光色に近いカラーなどすべて再現できません。よく差が生じるのは蛍光のピンク、グリーン、イエロー、ブルーに見える色。また金や銀などです。これらは出力できないため表現できません。パステル系もあまり強くありません。

金属系の質感などはデータの状態によっては下記画像のようにゴールド感が出せたりもしますが、インク的にはCMYKのみで表現されています。シルク印刷の項目でのせたグラデーションの表現はインクジェット印刷のほうが点が小さい分なめらかに表現が可能です。(※透過デザインのフチ部分にぼかしが使われている場合は除きます。白のインクはCMYKのインクよりも細かい描写が苦手なため出力されない/下地の白が見えてしまうといった現象が起こります)

このような特徴があります。


1枚から気軽に色数が多いデザインをプリントすることが出来るので小ロットで色数が多い/1枚づつプリント色変え/デザインがすべて違う/といった場合には最適です。


デザインデータとしては、1色や2色のべた塗りがメインのデザインで、かつ使用している色が蛍光色に近い色やパステル系といった苦手なカラーの場合はあまり向いていないかもしれません。というか仕上がりをご覧になって『思ってたのと色が違う…』といったことになりやすいです。


また白以外の濃色Tシャツを制作する場合、インクを定着させる前処理剤の跡が残る、生地によって発色が変わるといったことが起こる場合があります。

これは白インクの定着を良くするための前処理剤の定着が生地によりかなり変わるため、前処理剤との相性が悪い衣服は白の発色が悪くなりそれにより生地の色が隠蔽されずカラーインクの発色に影響を与えてしまうため生じます。

※前処理剤が不要のDTF方式もございますが、こちらはこちらでまた質感等が変わってきますので別の機会に。下記のリンクにパーカーへのDTFプリントサンプルがございます。よろしければご参照ください。
ちなみに白のみのプリントでオリジナルアイテムを1枚だけ作成したい場合はDTF方式は非常にオススメです。生地の影響をほぼ受けないため、非常に発色のよいプリントが可能です。メッシュキャップや濃色トートバッグ、その他小物類など色々なものにプリントが可能です。


白など淡色のTシャツに印刷する場合は生地にしみこんだ質感になります。これも好みがわかれるところです。シルクプリント用のラバーやプラスチゾルの質感になれた方には安っぽく感じる場合があります。逆にしみこんだ柔らかい風合いが好きな方には最適です。


デザインの色数や色の種類、制作枚数などに応じて使い分けると良いかと思います。


ちなみにオリジナルTシャツを販売してガンガン利益をあげたいと思っている方は、ネット上で初期投資無料で制作から販売まですべてやってくれるオリジナルグッズ作成サイトで販売するより、手間と赤字を覚悟してでも、初期投資して自分で販売したほうが売れた場合に圧倒的に利益率が高くなると思います。あの手のグッズ製作サイトはある意味デザインを一般の方に丸投げして(才能にのっかってというかただ同然でデザインを提供してもらっているともいえる気が。。)、基本製作費はがっちり確保して業者に有利な利益率な感じがしますので。。(商売だから当たり前なんですが)。まぁそれだけ初期投資が無しで作れるというのは魅力的なのかもしれませんが。デザイン力/ブランド力があり、販売価格を高値で設定してもバリバリ売れる方には最高のサービスですね。でもそれだけ売れるなら手間をかけるともっと儲かる気もします。。手間をかけないことに価値があるのか。。

話がそれました。

どちらが向いているかわからない、シルクスクリーン印刷用のデータが作れないといった場合はお気軽にご相談ください。データ作成のお手伝いは基本無料です。



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