オリジナル刺繍のデータ作成方法 1枚から作れるオリジナル刺繍ソックスやグッズ

 本日はオリジナル刺繍用のデータの作成方法です。


オリジナルデザインで刺繍アイテムを作りたいという方はたくさんいらっしゃると思いますが、1つよく起こる問題があります。


それは刺繍でアイテムを作成するにはデザインに向き、不向きがあるという点です。


『いいデザインが出来た!刺繍にしよう!』となるのが普通だと思うのですが、刺繍の場合はあらかじめ刺繍にすることを意識したデザイン作成をしていただいたほうが再現性は高めやすいと思います。(3D刺繍のようにデザインによっては完全に作成不可といったこともあります)ですので、以下をご参考頂ければと思います。


ちなみにこれは弊社で型代無料で作成するための方法になりますので、これ以外にもいくらでもやり方はあると思いますのであくまでもご参考までに。


まず線の太さや点の太さは弊社では2ミリ以上が推奨ですので、線の太さを確認しやすいようにフォトショップで作成してみます。


今回はオリジナルソックス作成、靴下に刺繍することをイメージしてデザインのサイズは縦3センチ×横4センチ以内で作成します。※実際には縦3センチ×横4センチの楕円が刺繍可能範囲になりますので、以下のデザインの場合縮小する必要が出てきます。


靴下の場合は着用した際にデザインに下地をつけておかないと絵柄が伸びておもしろいことになってしまうことがあります。ですのでゆがみが出ないようにデザイン全体に下地を付けます。今回のデザインだと鎌と頭巾の先端は伸びてえらいことになってしまうでしょう。


出来るだけ実寸でデザインを確認して頂いたほうが、刺繍加工に向いているかがわかりやすいです。実寸サイズのデータを見て線の太さが1ミリ以下の部分が大半といったデザインは再現性が極端に下がります。


①まず新規で作成する際に解像度300dpi 以上/画像サイズは靴下加工サイズほぼ実寸の縦3センチ×4センチに設定しました。

②解像度300dpiの場合、線幅は24ピクセル程度に設定すると幅2ミリくらいになります。

この2ミリ幅というのは刺繍機が自動で読み込めるほぼ最小サイズになります。確実に読み込める訳ではなく、線と点を認識せず欠落する部分が生じる場合もあります。


ささっとイラストを書いてみましたが、実際に2ミリ幅を超えているのは鎌の真ん中よりも上あたりや頭巾の付け根部分などでしょうか。どうしても細かい部分が生じてしまっております。すべての線を太くして小さいサイズ内で作画するというのはなかなか難しいですね。


これが後にどう変化するかも含めてあえてこのままいってみます。ドクロの歯、手の骨、鎌持ち手、血などは大体線幅1ミリ強といったところです。以下の6色(白・黒・茶色・赤・灰色(刃の部分)・下地濃い灰色(デザインデータでは青の部分))を使用することにします。配色は後程変更が可能なので、目立つ色で仮制作しておきます。

③色数が数色ある場合は糸の色ごとにレイヤー分けして作画すると後々楽です。上記ではあえて1つのレイヤー上で作画しました。1枚画になってしまっている画像からレイヤー分けする場合は例えば以下のようなやり方があります。

この場合は最後に【選択範囲→色域指定】を使用して各色を選択、【新規レイヤー→選択範囲を黒で塗りつぶす】で色分けしてください

※同じ色内でグラデーションが使われているデザインは不向きです。べた塗り推奨です。

④フォトショップ形式で保存します。


フォトショップの作業は終わりです。


次はこのデータをイラストレーターで開きます。

イラストレーターで作画が出来る場合、イラストレーターでトレースなどが出来る方は、上記は不要です。


①【レイヤーをオブジェクトに変換】を選択してOKします。これにより先ほどレイヤー分けした画像がそのまま表示され個別に作業ができます。


こんな感じになります。これを個別にトレースしていきます。

②【オブジェクト→画像トレース→作成して拡張】

③拡張された画像を選択した状態で【グループ解除】します。
これにより水色線の中の画像は黒と白のデータがばらばらに編集できるようになります。

どこでもよいので白の部分を選択した状態で

④【選択→共通→カラー(塗り)】を選ぶと白の部分がすべて選択されます。今回は白の部分は使わないので消してしまいます。次に同じように黒をどこか選択して同じことを繰り返し全選択したらグループ化しておきましょう。

⑤これをすべてのレイヤーで行います。
出来ました。トレースした画像はカラーガイドの右にある三本線の部分で色設定を変更することで色をつけられるようになります。

これで入稿データは完成です。

イラストレーター形式で保存してください。
このデータを弊社にご入稿データとしてご送付ください。

ここからは弊社の作業となります。

ではこれを刺繍機に読み取らせてみましょう。

通常に読み込みすると見事にデザインに欠けが生じてしまっています。手の骨、目の中など反映されていません。

この作例よりも細い線、点がたくさん使われているデザインの場合、これがもっとひどくなりほぼデザインが読み取られず無残なことになったりします。。。(製作の前に弊社より読み取り不可だと思いますとお客様にお伝えします)


データ作成費無料でのご製作の場合は、低価格でのご提供のため若干の調整だけほどこして出力とさせて頂きます。
ですので、出来るだけ線や点は太く設定、デザインもシンプルに仕上げて頂いたほうが再現性は高くなります。

こちらが実際に出力されたデザインです。若干の調整をほどこし、目と手の骨を認識させてから出力しました。かなり荒々しく邪悪な雰囲気で個人的には好きですが、細かい部分が多く糸色も多いデザインのため無調整ですとこのくらいの仕上がりになります。このクオリティでも問題ないよ!という方にはこの方式で糸色が多くても1個から低価格でのご提供が可能です。


デザインに細かい部分が多く糸の色変えが多い場合はどうしても無加工ではデータのクオリティを維持するのが難しくなりがちです。刺繍という表現方法の特性とお考え下さい。縫い方縫い順など色々と設定することでクオリティを上げることが可能ですが、複雑なものほどデータ作成に時間がかかります。


でもやはりもう少し再現性を上げたい!!という場合は、別途料金がかかりますが弊社データ作成をご活用ください。仕上がりがかなり変わります。靴下に限らず、Tシャツ、キャップなどすべての刺繍グッズで仕上がりに差が生じます。

左側がマニュアルで調整したデータです。シャープさなどが全く違います。時間をかけて色々調整する分やはりきれいに仕上がります。

販売用のグッズなどで10個以上作成するような場合は個人的にはご利用をおすすめ致します。最初の1回だけかかる費用ですので追加ご作成の場合は費用はかかりません。


ちなみにマニュアルでの調整にも限界はあります。全体が1ミリ以下の線や点でほぼ作画されているようなデザインの場合は、弊社の通常の加工サイズ範囲内ですときれいに仕上がるのは難しいと思います。これが刺繍に不向きなデザインということになります。



こんな感じで両足に加工して完成です。左右の足にデザインを反転して配置するのは無料で対応が可能です。同じ向きでも問題ありません。


ちなみにソックスの場合は、加工位置が上記画像の位置でほぼ固定となります。
サンプルはANVILのクルーソックスホワイトを使用しています。
非常に低価格で1枚から作成が可能です。2枚からぐっとお安くなりますので是非ご活用ください。


オリジナルソックス作成は以下リンクより商品ページをご覧ください


かかとありタイプ。オールドスクールなラインソックスあり。
クォーターソックスはラインがリフレクターで反射します
25-29センチサイズです。


かかとが無いOSFAのソックス。オールドスクールなソックスです。
ラインライプと白、黒があります。
かかとが無いのでサイズを気にせず着用可能です。
(足が大きいほど丈は短くなります。小さい場合は逆に丈が長くなります。)

国内メーカーユナイテッドアスレのクルーソックス。
25-29センチサイズです。


ご不明な点がございましたらHPよりお気軽にお問い合わせください。

オリジナルTシャツ|グッズ製作のネット通販会社
株式会社ユアデザインラボ














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