ビンテージTシャツのような質感のオリジナルTシャツ製作をするには?
あけましておめでとうございます。
昨年もご利用、そしてこちらのブログをご覧頂きまことにありがとうございます。
本年もよろしくお願い致します。ほとんど更新できておりませんが、今後もお付き合い頂けましたら幸いです。
昨年2025年中ごろくらいからでしょうか?黒のTシャツがグレーに色あせたような質感のビンテージTシャツを意識したシャツが流行っておりましたが、このような質感にしてみたいというご希望を弊社でもかなり多く頂きました。
今回は低価格でビンテージTシャツのような質感を目指すにはどうしたらよいか考えてみたいと思います。
結論から言いますと弊社でご提案する方法は以下になります。
①もともと色が褪せているボディを使用する
現在もっともご利用が多いご製作方法です。
黒が褪せたようなグレーのボディに印刷をすることでビンテージTシャツのような雰囲気を出します。
特にビンテージ感が強いのは以下リンクのコンフォートカラーズのガーメントダイTシャツです
https://your-d-lab.com/products/blankshirtslist/pg925.html
このシャツは後染めのTシャツで、ペッパーというカラーが黒が褪せたようなグレーです。これはかなり古着のTシャツっぽさがあります。逆に言うと後染めのシャツで新品感がほとんどありません。海外メーカーらしく作りが荒いので、形状も崩れてかなりよれています。これによりますますビンテージ感が強いボディとなっています。ブラックはあまり褪せていないので色褪せ感が欲しい方はご注意ください。価格的にはすこしだけ価格が高いボディになります。ロングTシャツもございます。
Tシャツの形状があまりにも不規則・粗雑な作りのボディは避けたいという方には、以下のリンクのユナイテッドアスレ5001のスミなどがおすすめです。低価格でご利用頂きやすく品質的にも優れているボディです。国内ブランドのためTシャツの形状も安定して綺麗です。スミ以外にもヘザーブラックやチャコールなど暗めのグレー系の色がございます。形はきれいでほつれ等も少なく安定した品質ですが、着用サイズ感はあまり大きくなく2XLでも海外ブランドのXL程度のサイズ感のため、大きいボディサイズでのご製作の場合は追加料金が生じ割高になる場合がございます。
https://your-d-lab.com/products/blankshirtslist/unitedathle500101020305.html
②色褪せしやすいボディを使用する
いきなりグレーのシャツを使わずに若干の時間をかけてTシャツを育てていくパターンです。
Tシャツのカラーは同じ色の名称でもメーカーによって大幅に色味が異なります。
例えばギルダンのブラックは若干青っぽさがあり、ユナイテッドアスレ5001やアメリカンアパレルのブラックなどと並べて置いてみると真っ黒という感じに感じられません。
さらにメーカーによって色あせしやすいものなどがあり、これらを使うことで短期間でTシャツの色を褪せさせてビンテージっぽさを出すことが可能です。荒業ですが、夏など日差しが強いところに干しっぱなしにしておくと一気に色褪せさせることも可能です。(※洗濯による色あせに比べて褪せた部分と褪せない部分の差が出やすく生地もかなり傷みますの。もし試す場合は自己責任でお願い致します。。)
私が個人的に色あせが強いと感じるのは以下のリンク、アメリカンアパレル(旧アルスタイル)のボディです。
https://your-d-lab.com/products/blankshirtslist/americanapparel1301.html
このボディは昔のアメリカブランドのTシャツ感を残したボディに感じます。
色物がとにかく洗濯で色落ちしやすいのでご注意ください。黒ボディを白ものと一緒に洗濯してしまうと、白物はピンクっぽい色に染まってしまいます。
色落ちのスピードは極めて速く感じられ、20回も洗濯したら新品感はほぼありません。大きいサイズの場合首のリブの作りが広く、また伸びやすいのでかなりだらっとした感じになります。首のリブの強度を重要視したい方には不向きだと思いますが、よれた感じを狙いたいのであれば向いているかと存じます。
新品の状態では黒が非常に際立った濃さを感じさせるボディですので経年劣化の差が激しいボディだと思います。
③イメージに合わせたインクを使用する
ビンテージ感といえば、ボディに加えてインクの劣化も重要かと存じます。インクの場合は以下のような質感がビンテージっぽいかと存じます
③ー1 プラスチゾルインクを使用する
弊社で使用しているシルクスクリーン用のインクはプラスチゾルが基本となります。水性のしみこみインクやラバーインクと異なり乾燥後の質感は固めな仕上がりです。光沢感が強くなることもあります。油性といわれることもあります。
海外のビンテージロックTシャツなどでは特に良く使われているインクです。このインクは熱を加えないと乾燥しないインクのため、ハーフトーンなど細かい部分がある印刷に向いており、当時の海外の分解プリントなど写実的なデザインなどでは特によく使われています。もちろん単色の簡単なデザインにもたくさん使われています。
このインクは生地の上にインクが乗っているような質感のことがほとんどで、これによりひび割れや剥がれが生じて経年劣化感が強くでることがあります。
白Tシャツや淡色のTシャツではインクを厚く重ねていればひび割れが目立ちやすくなりますが、重ねて刷らなくてもインクの発色が良いことが多いため塗り重ねず1回だけの印刷の場合も多く、この場合はあまりひび割れ感は出ず繊維が毛羽だち白っぽくなることもあります。
③ー2 しこみこタイプのインクを使用する
淡色のTシャツにはしみこみのインクが使われていることも多いです。生地にしみこんだような仕上がりで非常にソフトな肌触りになります。このタイプは繰り返し洗濯することでボディの繊維が立ってきてインクを貫通して白くぼけたような劣化を起こします。
インクジェット印刷淡色ボディ向け(DTG方式 Tシャツに直接インクを吹きかけて印刷する方法)の印刷はこの現象が起こりやすいです。
シルク印刷の淡色ボディむけ4色分解のTシャツでも洗濯を繰り返すと、やはり繊維が立ってきてデザインが白っぽくなってきます。ただお届け時の状態では上記DTG方式淡色用インクジェットに比べるとインク感がかなりしっかりと感じられるのでビンテージ感はあまりないかと存じます。
③ー3 インクを隠蔽性がないものにする/1度だけ刷る
濃色のTシャツへは1度の印刷では生地の色を完全に隠蔽することはできません。
昔のシャツは隠蔽性がそれほど高くないインクを使っているものがあるので、わざと1回だけすってインクの隠蔽性を下げるという手法です。生地感が見える仕上がりになります。
④デザインにエフェクトを加える
④ー1ひび割れエフェクトを重ねる。良く使われる手法です。デザイン全体にひび割れのテクスチャーを重ねることでひび割れた状態のデザインを印刷します。
この場合、基本的にはすべてのシャツで同じひび割れのデザインになっておりますので新品の段階では個体差が感じられないという点はあるかと存じます。
④-2 わざと画像を簡略化もしくは変更して分版データを作る
昔のバンドTシャツなどは分版の段階で絵柄をダウンコンバートしたような分版をしていたりします。これによりジャケットや写真の雰囲気が変わってTシャツ用のデザインとして別デザインが存在することになり、それが非常にかっこいいというパターンがあります。
※80年代などにフルカラーのジャケットから上記のような製版を実際におこなっていた方がいらっしゃいましたら当時の技法についてお教えいただけますと幸いです。
⑤物理的にTシャツにダメージを与える
やり方・加減によってはTシャツに致命的なダメージや破損を引き起こしますので自己責任でお願い致します。推奨しているものではなく、このようなやり方もあるという程度でお考えください。
⑤ー1 天日に干しっぱなしにする
これをやると色あせが強烈に生じます。ただし日が当たっている量により部分的に極端に色あせしてしまったりして(ハンガーの部分など)『あぁ干しっぱなしにしてたんだな』とすぐに見抜かれる場合もあります。
⑤ー2 プリント部分を引っ張って伸ばしてひび割れさせる
プラスチゾルインク(油性とよばれていることもあります)はある程度のストレッチ性があるもの、まったくないものなど様々なインクが存在します。ストレッチ性が無いインクは延ばすとひび割れします。わざと割れさせるのも手の一つです。インクの種類によってはデザインが歪んでしまうのでご注意ください。
⑤-3 ブリーチする
黒Tシャツを漂白剤でブリーチしてグレーにします。ムラになりやすいので注意が必要です。後戻りはできません。失敗しても良いという覚悟が必要です。
⑤-4 白Tシャツの場合、紅茶などで染める
白Tの場合は古着ですとやはり真っ白ではありません。わざと汚く汚すというのも手段の一つです。これも後戻りできません。
⑤ー5 洗いまくる
洗濯すればするほど劣化しますので、毎日毎日洗っていると早く劣化してビンテージ感がでてきます。これも後戻りできません。ぼろくしたくないのであればあまり着用回数を減らすのが一番です。乾燥機もシャツを早く劣化させます。
以上です。
弊社では出来るだけ低価格でアイテムをご提供したいと考えておりますので、コストがあまりかからない方法を考えてみました。ご参考になると幸いです。
ここからは余談です。
ビンテージTシャツの基準と言いますか、どの時代のシャツを想定するかでかなり製作も変わってくるかと存じます。
Tシャツにデザインをプリントし始めた黎明期1930年代後半~1950年代では以下のような技法が多かったようです。
①シルクスクリーン印刷を使った水性インクでのプリント
②フロッキー(植毛)
③転写(アイロンプリント)
④ステンシル(型紙)
私の主観ではこの時代のアイテムはプリントもですが、どちらかというとボディ自体が貴重といったイメージですね。本当のところの世界初のプリントウエアは何だったのかとても気になります。この時代のものを再現する場合、無地のボディからこだわりが必要になってくるかと存じます。90年代にはビンテージスウェットを再現したような無地スウェットなんかが流行っていました。
この後1950年代くらいからプラスチゾルインクというインクや多色印刷機が登場し、デザイン性が一気に高くなり、現代においていわゆるビンテージTシャツやスウェットというイメージのアイテムが出てくるのかと思います。
ボディも重要ですが、バンドのシャツやスケートブランド、キャラクターものなど絵柄自体がより価値の基準点になってきたといいますか。
たとえば80年代の無地のスクリーンスターズのデッドストックも貴重だとは思いますが、それに有名なバンドのデザインが印刷されていた場合、普通に考えるとバンドTに加工されているもののほうが貴重なことが多いと思います。
プラスチゾルインクのTシャツは80代以降のバンドやスケートものでは本当に多くてこれらがバキバキにひび割れ劣化したシャツは最高に魅力を感じます。
シャツでこのような変貌を遂げます。国旗で青と赤を使うためか、デザインの多くの部分を赤と青に置き換えて効果的に色を使っていますね。
写真部分は潔くトリミングしてイラストだけにしているのも個人的に正解な気がします。
んでこれらのシャツは絵柄とボディの種類、タグのデザインなど色々な組み合わせで年代などが推測できてレアさが変わるといいますか。
同じ絵柄でも使用されているボディタグで古さがわかるので、それによってものによっては価値が大きく変わったりといった感じです。
このNAPALM DEATH GRIND CRUSHER TOUR Tシャツもいろいろなタグバージョンが存在していたり奥が深いです。
そういえばパウエルやゾーラックなんかはオリジナルのブランドタグを早くからつけてましたね。ZORLACのカジュアルティタグのTシャツは半端じゃなく色あせるので最高でした。earacheのシャツはオリジナルのタグをつけているものもありますが、経年劣化で丸まってほぼ読めなかったり味わい深いです。オリジナルブランドのタグ付けの歴史も調べてみたいと思います。
今後のTシャツのビンテージ化ですが、私個人としてはDTFなどの転写プリントが経年劣化でどうなっていくのかを見守りたいところです。転写プリントははがれやすいので、これらが数十年たった時にどのような経年劣化による変化を起こし、またそれに対してどのような価値が与えられるのかが気になります。あとはDTG印刷のでシャツも気になりますね。白引きありのDTGのTシャツは数年で表面がつぶつぶとした剥がれ?浮き?のような質感になってくる気がします。もっと年月が経つとどうなるのでしょうか?
あとは近年海外では特に流行っているディスチャージインク使用のバンドTもどうなっていくか気になります。非常にソフトな肌触りでデザインも凝ったものが多いのですが、繊維がけば立ってくると発色が悪くなる、こすれに弱いといった面もあり、これが経年劣化でどのように変化していくかも気になるところです。
20年、30年後のビンテージシーンでのそれぞれの技法の評価はどうなっているのでしょうか?
それでは今年もよろしくお願い致します。
株式会社ユアデザインラボ
シルクスクリーン印刷の製版代が無料。特色分解などのデータ作成費も無料です。
バンドTシャツやクラスTシャツなど幅広くご利用頂いております。







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